在宅支援診療

デンタル訪問診療(歯科訪問診療)

「最期まで自分の口で食べる」を支える、専門的な歯科ケア

お身体の不自由や認知症により通院が困難な方のために、歯科医師・歯科衛生士がご自宅や施設へお伺いします。当院の歯科訪問診療は、単なる「入れ歯の調整」に留まりません。内科医師や訪問看護師と密に連携し、全身状態を考慮した安全な治療と、誤嚥性肺炎を防ぐ専門的な口腔ケアを提供いたします。

🦷 訪問歯科診療の3つの柱

「食べる力」を維持する摂食嚥下リハビリ

「飲み込み」の状態を評価し、安全に食事を続けるためのトレーニングや、食事形態のアドバイスを行います。誤嚥性肺炎を防ぐ「専門的口腔ケア」歯科衛生士によるプロフェッショナルケアで、お口の中の細菌をコントロール。発熱や吸入性肺炎のリスクを低減させます。医療法人内の連携内科医師と服薬状況や全身状態を共有しているため、持病(心疾患・糖尿病・血流改善薬の服用など)がある方でも安心して受診いただけます。

💰 訪問歯科・居宅療養管理指導の費用目安

歯科訪問診療は「医療保険」、歯科衛生士による口腔ケア指導は「介護保険」が適用されます。
※以下は1回あたりの自己負担額(1〜3割)の概算です。1回あたりの自己負担額(目安)項目内容、1割負担~3割負担。歯科医師による診察・治療約1,100円〜約3,300円〜居宅療養管理指導歯科衛生士による口腔ケア・指導約350円〜約1,050円〜同一建物(施設など)で複数名診察する場合は、お一人あたりの費用が安くなる仕組みになっています。治療内容(入れ歯の作製、抜歯、詰め物など)により、別途処置料がかかります。交通費・出張料は一切いただいておりません。

📋 診療・ケア内容

歯科治療:虫歯治療、歯周病治療、入れ歯の作製・修理・調整、抜歯口腔ケア:歯石除去、粘膜清掃、舌の清掃、保湿ケア嚥下リハビリ:間接的・直接的嚥下訓練、お口周りの筋肉トレーニング口腔ケア指導:ご本人・ご家族・施設スタッフ様への適切なケア方法のレクチャー

📅 訪問エリア・お申込みエリア

クリニック(葛飾区東立石)より半径16km圏内お申込み:まずは無料のお口の健康相談から承ります。ご家族・ケアマネジャー様へ「お口の臭いが気になる」「食事中にむせることが増えた」「入れ歯が合わず食事が進まない」といったサインはありませんか?歯科訪問診療を導入することで、栄養状態が改善し、全身のADL(日常生活動作)が向上するケースも多くあります。ぜひ一度ご相談ください。

歯科訪問診療開始までの流れ

1

歯科訪問診療ご希望の方はご連絡ください

訪問歯科診療をご希望する病院や施設従事者の方(看護師や介護士の方)、ご家族の方は、お気軽に当院までご連絡ください。
患者様の口腔内の状態、検診または治療のどちらをご希望か、また連絡先をお伝えください。

2

当院から診療日のご提案

診療日をご提案させていただきます。治療希望の方はすぐに治療を開始します。

※診療開始をお急ぎの場合、最短で当日から対応いたします。

3

歯科訪問診療についてのご説明

申し込みやお支払いについてのご説明をします。全体を通しての不明点などの補足説明をします。

4

訪問当日

順次訪問させていただきます。担当医師、歯科衛生士等と連携して、チームで治療にあたります。訪問歯科診療用器具を取りそろえていますので、ベッドや車いすでの治療が可能です。

料金表

外来(通院)の時と同じように、各種保険をお使いいただけます。

国民健康保険

医療費の1割(または3割)が一部負担金となります。

社会保険

医療費の1割(または3割)が一部負担金となります。

老人保険

医療費の1割(または3割)が一部負担金となります。
一ヶ月の医療費自己負担額には所得により上限があります。医療費上限は個人(または世帯主)の月内医療費総額が対象になります。
一般所得者の医療費負担総額上限12,000円(自己負担金割合1割)
一定以上所得者の医療費負担総額上限44,400円(自己負担金割合3割)
上限を超えたものについては「償還払い制度」により、市町村から超過分の償還払いを受けることになります。

障害者手帳をお持ちの方

原則、無料です。
心身障害者医療費補助制度が適用されます。
「心身障害者医療費助成申請書」を自治体に提出済みの方に限ります。
一部立替払いとなる地域もありますが、その場合は後日、自治体より返金されます。
なお、お住まいの地域によっては有償での診療になる場合もございます。

生活保護の方

原則、無料です。医療券請求事務を代行いたします。

介護保険

在宅での「口腔ケア」でご利用いただけ、一ヶ月の利用回数上限は四回までとなります。
医療保険と介護保険は同時にご利用いただけます
口腔ケア

口腔ケア

口腔ケアは「お口の掃除」を超えた、全身の命を守る医療です。
かつての口腔ケアは、虫歯や歯周病を防ぐための「お口の中のお手入れ」というイメージが強いものでした。しかし現代の高齢者医療において、口腔ケアは単なる予防の枠を超え、QOL(生活の質)の維持・向上、さらには全身疾患の予防と改善に直結する「欠かせない医療の一環」として位置づけられています。

1. 誤嚥性肺炎を防ぐ「最強の防御策」として

高齢者の死亡原因の上位を占める「肺炎」。その多くは、お口の中の細菌が唾液とともに肺に入り込むことで起こる「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」です。
歯科専門職による適切な口腔ケアを行うことで、お口の中の細菌数を劇的に減らすことができます。これは、単に清潔にするだけでなく、「肺炎という命に関わるリスクを最小限に抑える」ための、最も有効で具体的な対処方法なのです。

2. 「食べる喜び」が全身の活力を生む

お口の状態が整い、痛みなく「噛める」「味わえる」ことは、栄養摂取の効率を上げるだけではありません。
「自分の口でおいしく食べる」という行為は、脳への大きな刺激となり、認知機能の低下を緩やかにする効果も期待されています。また、しっかり噛むことで唾液の分泌が促され、消化を助けるとともに自浄作用も高まります。口腔ケアは、低栄養やフレイル(虚弱)を防ぎ、全身の健康増進を支える土台となります。

3. 全身疾患との深い関わり

最新の研究では、お口の中の衛生状態が、糖尿病、心疾患、脳血管障害といった全身の疾患と密接に関係していることが明らかになっています。歯周病菌が血管を通じて全身に回ることで、これらの病気を悪化させる原因となるのです。
つまり、お口の健康を守ることは、心臓や脳、血糖値のコントロールといった「全身の健康管理」そのものであると言えます。

4. 尊厳を守り、社会との繋がりを保つ

お口の中を清潔に保つことは、口臭の予防や、ハッキリとした発声(構音機能の維持)にも繋がります。
「誰かと楽しくお喋りをする」「笑顔で過ごす」といった、人間としての尊厳や社会性を維持するために、口腔ケアは極めて重要な役割を果たします。私たちは、患者さまが最後まで「自分らしく、豊かな人生」を送れるよう、お口の健康を通じて全力でサポートいたします。

歯周病の治療

一般診療

歯科診療は「歯を治す」だけでなく、「生きる機能」を再建する医療です。
訪問歯科診療で行う処置は、外来の歯科医院と変わらない「虫歯の治療」や「歯周病の治療」ですが、その目的はさらに深いところにあります。お身体が不自由な方や療養中の方にとって、一本の歯を残し、歯肉を健康に保つことは、「噛む・飲み込む・話す」という人間としての基本的な機能を守り抜くことに他なりません。

1. 虫歯治療:一本の歯から「噛む力」を再生する

一般的に知られる「虫歯治療」——削って詰める、銀歯を入れる、あるいは深い虫歯の根管(根の中)を治療して歯を残す、被せ物をする、そして欠損を補う入れ歯を作る。
これらの処置は、在宅においては単なる「修復」以上の意味を持ちます。
歯を失うことや痛みによる食欲減退は、高齢者の体力を一気に奪う原因となります。私たちは、可能な限りご自身の歯を保存し、あるいは最適な義歯(入れ歯)を提供することで、「再び自分の力で栄養を摂取できる状態」へとお身体を導きます。

2. 歯周病治療:全身の炎症を抑える「内科的」アプローチ

「歯周病治療」として行う歯石の除去や歯肉炎の改善、そしてプラークコントロールのための丁寧なブラッシング指導。
これらは、単にお口の腫れや出血を抑えるだけではありません。歯周病菌は血管を通じて全身へと運ばれ、糖尿病や心疾患、脳梗塞のリスクを高めることが分かっています。
在宅での歯周病治療は、お口の炎症をコントロールすることで全身疾患の悪化を防ぐ「全身管理」の一部です。私たちは、ご本人やご家族、介護スタッフの方々と共に、持続可能な口腔衛生環境を構築します。

3. 歯科治療がもたらす「意欲」と「尊厳」の回復

歯が整い、お口のトラブルが解消されると、表情が明るくなり、会話が弾むようになります。
「痛くないから食べられる」「歯があるから笑える」「お口が綺麗だから話したくなる」。この心の変化こそが、在宅療養における歯科診療の真の価値です。
私たちは、高度な歯科医療技術(キュア)と、日々の寄り添ったケアを両立させることで、患者さまの「生活の質(QOL)」を根本から底上げする役割を担っています。

歯磨きクリーニング

PMTC

MTC:プロの技術で「自分では落とせない病因」を徹底除去する
「PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニング)」とは、歯科医師や歯科衛生士が専用の器具と薬剤を用い、日常のブラッシングでは決して届かない部位の汚れを徹底的に清掃する「お口の精密クリーニング」です。

在宅医療の現場では、ご本人やご家族による日々の歯磨きにはどうしても限界が生じます。私たちはその限界をプロの技術で補い、病気の根源を絶つサポートをいたします。

1. 歯磨きで落ちない「バイオフィルム」を破壊する

お口の中には、細菌が寄り集まって強固なバリアを作った「バイオフィルム(ヌメリ)」が存在します。これは排水溝のヌメリと同じように、うがいや通常の歯磨きだけでは剥がし落とすことができません。
PMTCでは、このバイオフィルムを物理的に破壊し、細菌の増殖をリセットします。これにより、虫歯や歯周病の進行を劇的に抑えることが可能になります。

2. 「予防」こそが、在宅生活の質を左右する

お身体が不自由な方にとって、一度虫歯や歯周病が悪化すると、治療のために何度も大きな処置を受けることは体力的に大きな負担となります。
定期的にPMTCを行うことは、「痛みが出てから治す」のではなく「痛ませない・悪くさせない」環境を維持すること。この予防的アプローチこそが、平穏な療養生活を守るための最も賢明な選択となります。

3. 着色汚れの除去と、清々しい爽快感

PMTCには、食べ物や飲み物による着色汚れ(ステイン)を取り除き、歯の表面をツルツルに磨き上げる効果もあります

汚れが落ち、表面が滑らかになることで、新たなプラークが付きにくくなるだけでなく、お口の中が劇的にさっぱりとする「爽快感」が得られます。この「お口が気持ちいい」という感覚は、感覚が鋭敏な高齢者の方にとって、心身の活力を呼び起こす大きなきっかけとなります。

4. 専門家だからこそ気づける「小さな変化」

クリーニングを行う過程で、歯科専門職は歯の磨り減り、粘膜の異常、わずかな噛み合わせの変化など、ご本人さえ気づかないサインを見逃しません。
PMTCを通じて定期的にお口の中を精密にチェックすることは、重症化を防ぐための「究極の定期検診」としての役割も果たしています。

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